土曜日 11:35 a.m.–11:55 a.m.
全世界の動的曝露人口推定とオープン・ビルディング・マップ
ダニエル・シューレンマー(Danijel Schorlemmer)、トーマス・ビューティン、平田直、郝憲生、ファブリク・コットン、カーステン・プレーン
説明
破滅的な自然災害による各地域の危険度を詳しく知るには、それぞれの場所の自然災害誘因(ハザード)への曝露人口を詳細に知る必要がある。曝露人口を推定する既存の方法では、空間的に詳しく知ることと、広域的に把握することを両立させることに限界がある。この問題を解決するために、我々はクラウドソーシング手法を採用する。本講演では、地震災害の危険度評価に焦点をあてた新しい手法を提案する。我々は、(1)病院の位置などのような「明示的なデータ」、(2)建物の外形や位置のような「非明示的なデータ」、(3)専門家の意見のように「演繹的に推論されたデータ」を集めることによって、曝露人口と地震への脆弱性を示す指標をオープン・ストリート・マップ用のデータとして作成しつつある。こうすることによって、区域毎の建物の情報から、個別の建物毎の情報へと空間分解能を上げることができる。
概要
オープン・ストリート・マップが覆う領域の広さと詳しさは、この手法が公開された自発的な活動であることによって、地域によって大きく異なる。建物の位置と種類をより詳しく把握するには、地域の当事者や専門家によってデータを収集できる仕組みを作る必要がある。このために、関心を持っているボランティアと、地震や建物の知識をもっている専門家の知識とを結びつける二つのクラウドソーシングのツールを開発する。まず、第一のツールでは、地域の人々や活動家がその地域の建物の種類を把握できるようにする。このために、スマートフォンやタブレットで、簡単に建物の種類を判読できるツールを提供する。第二のツールは、地域の専門家が、観察された建物の種類から「世界地震モデル(GEM)」の「建築物分類法2.0」で定義された脆弱性と曝露人口の指標に換算するためのものである。これらのツールは、だれでも使えるように公開する予定である。